【2027年卒向け】 新卒採用のスケジュールの立て方!採用を成功させるポイントを解説!

目次
企業が新卒採用を行う上で、その年の新卒採用市場の動向を抑え、採用活動に備えることが不可欠です。新卒採用のスケジュールは政府の意向、競合他社や学生の動向にも左右されるため、都度修正が必要です。
そこで本記事では、新卒採用におけるスケジュールの考え方や企業が準備すべきことについて解説します。
本記事をお読みいただくことで、新卒採用のスケジュールについて理解を深め、自社の採用戦略に活かせるようになりますので、是非とも最後までお読みください。
新卒採用の基本的なスケジュール

新卒採用は、企業にとって重要な戦略の一環であり、計画的に進めることが求められます。
一般的に、新卒採用のスケジュールは、企業の採用方針や市場の動向に基づいて設定されますが、政府の指針も大きな影響を与えます。新卒採用のスケジュールは、通常、企業の広報活動から始まり、選考活動、内定の通知といった一連のプロセスを経て、最終的に新入社員が入社するまでの流れを含みます。
具体的には、広報活動は大学三年の3月1日以降に開始され、選考活動は6月1日以降に行われ、正式な内定日は10月1日以降に設定されることが一般的です。
新卒採用の早期化とその背景
前項にて、新卒採用の基本的なスケジュールを紹介しましたが、近年、新卒採用のスケジュールは早期化の傾向を見せています。
この背景には、企業の競争が激化していることや、優秀な人材を確保するための戦略的な取り組みが影響しています。また、学生側も早期に内定を得ることを希望する傾向が強まっており、これが企業の採用活動に影響を与えています。
学生は、早期に内定を得ることで安心感を持ち、就職活動をスムーズに進めることができるため、企業はこのニーズに応える形で採用スケジュールを前倒ししています。
インターンシップを活用して学生と早期に接触するだけでなく、早期選考を行い、情報解禁前に内々定を出している企業などもあります。政府は新卒採用のルールを随時見直しており、企業は採用の早期化を考慮しつつ、政府の要請と折り合いを付けながら、新卒採用の方針やスケジュールを立てることが求められています。
政府が定める2027年卒向けの新卒採用スケジュール

政府が定める新卒採用のスケジュールは、採用のスケジュールを設定する上での基準線になります。ここでは、政府が要請を出している2027年卒向けの新卒採用スケジュールを紹介します。
企業の広報活動開始 ~ 卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降 ~
新卒採用における広報活動は、企業が学生に求人情報を公開する重要なステップです。
政府の要請では広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降に開始することを原則としています。
従来は、この時期に学生の就職活動が本格化し、情報収集が活発になっていましたが、採用活動が早期化している現在では、学部3年の4月頃から徐々に情報収集が開始されています。
採用選考活動開始 ~卒業・修了年度の6月1日以降~
政府の要請では新卒採用における採用選考活動は、卒業・修了年度の6月1日以降とされています。
この時期は、企業が学生に対して具体的な選考プロセスを提示し、実際に面接や適性検査を行う期間です。選考活動の時期は、書類審査や面接等に人事のリソースが大きく割かれるため、事前に準備を整えておくことが求められます。
正式な内定日 ~卒業・修了年度の10月1日以降~
政府の要請では新卒採用における正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降が原則とされています。
企業が学生に対して正式に内定を出すことができるタイミングであり、学生にとっても重要な意味を持ちます。内定を受けた学生は、就職活動を終え、企業との関係を深める準備を始めることができます。
参考: 大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について|厚生労働省
政府要請がある中で早期採用活動が進められている
近年、政府が新卒採用に関する方針を示す中で、企業は早期採用活動を進める傾向が強まっています。これは、学生の就職活動が早期化していることに起因しています。
政府は、企業が採用活動を行う際の指針を示すことで、学生が学業に専念できる環境や公平な就職機会を確保しようとしていますが、実際には多くの企業が独自の採用戦略を展開しています。
採用活動の早期化の背景には、優秀な人材を確保するための競争が激化していることがあります。特に、IT業界やスタートアップ企業などでは、即戦力となる人材を早期に確保することが求められています。
そのため、企業は政府の要請を踏まえつつも、早期に広報活動を開始し、学生との接点を増やす努力をしています。
参考: 2025(令和7)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について
企業タイプ別の新卒採用のスケジュール

新卒採用のスケジュールは企業規模や業界ごとに一定の傾向があります。
企業の戦略や業界の特性に応じて、採用活動の開始時期や進行方法を変えることで、採用ができる学生層や採用活動の結果が大きく変わります。ここからは企業タイプ別の採用スケジュールを紹介します。
早期スタート型企業の新卒採用スケジュール例
早期スタート型企業は、他の企業に先駆けて新卒採用活動を開始する企業群です。特に外資系企業で多く行われる採用スケジュールとなります。
このような企業は、優秀な人材を早期に確保するために、独自のスケジュールを設定しています。以下に、早期スタート型企業の一般的な新卒採用スケジュールの例を示します。
例えば、2027卒の学生を採用する場合、2024年の10月から12月にかけて、企業は前年の採用活動を振り返りや採用計画の作成を行います。
次に、2024年の12月頃から、インターンシップの募集に向けた広報活動の準備を行い、2025年の6月から7月には夏季インターンの選考を終えます。
そして、2025年の10月頃から早期選考が始まり、早い場合は年内に内定が出されます。
内定者フォローも早期に行われ、2026年の1月以降は内定者フォローを開始します。企業によってはグループごとに選考時期を分けて、早期選考で内定だしをした後に、追加で選考を行う企業もあります。
早期に内定を出している場合、辞退になる可能性も高いため、内定者とのコミュニケーションを密にし、入社意欲を高めるための施策を講じることが、早期スタート型企業にとっては重要なポイントとなります。
このように、早期スタート型企業は、計画的かつ戦略的に新卒採用を進めることで、優秀な人材を確保しています。
国の指針に沿った新卒採用スケジュール例
標準スタート型企業は、一般的な新卒採用スケジュールに従い、計画的に採用活動を進めることが特徴です。
このタイプの企業は、政府や経団連が定めたスケジュールに基づき、採用活動を行うため、他の企業と同様のタイミングで学生との接点を持つことが重要です。例えば、2027卒学生の採用でインターンシップを行わない場合、2025年の8月~10月にかけて振り返りや採用計画を行います。
2025年の11月から2026年の2月にかけて、広報活動の準備を行い、企業の魅力を学生に伝えるための資料やイベントを整えます。
その後、3月1日から求人情報を公開し、順次選考活動が開始され、エントリーシートの提出や面接が行われます。内定は、卒業・修了年度の10月1日以降に正式に出されるため、企業はこの時期までに選考を終え、内定者に対するフォローアップを行うことが求められます。
2027年卒新卒採用スケジュール

採用スケジュールは、企業が効果的な採用活動を行うための重要な指針となります。以下では、夏季インターンシップを実施する場合の2027年卒向けの新卒採用スケジュールを具体的に紹介します。
2024年10月~11月~前年度の振り返り~
新卒採用のスケジュールを立てる上で、前年の振り返りは非常に重要なステップです。
この時期には、前年度の採用活動を詳細に分析し、成功した点や改善が必要な点を明確にすることが求められます。
具体的には、採用人数や内定辞退率、選考プロセスの効率性などを評価し、どのような施策が効果的だったのかを検証します。
2025年1月~3月~広報活動の準備~
新卒採用における広報活動は、企業の魅力を学生に伝える重要なステップです。
夏季インターンシップを行う場合、2025年の4月~6月がこの広報活動の準備が本格化する時期となります。
広報活動の準備期間は企業のブランディングを強化するためのコンテンツ作成が求められます。企業の理念や文化、働く環境を伝えるための動画やパンフレットを制作し、学生にアピールすることが重要です。
2025年6月~9月~夏季インターンシップ選考・インターンシップ実施~
夏季インターンシップを行う場合、6月〜7月に選考を行い、8月〜9月にかけて実施することが一般的です。
以前と比較し、インターンシップの要件が厳格になったことにより、学生の参加数は減少しています。競合他社に埋もれないよう、早期の広報や企業ブランディングの強化、インターンシッププログラムの質の向上が求められます。
2025年10月~2026年8月 ~選考開始~
選考開始時期は企業ごとに大きく異なります。早期選考を行う企業は10月から開始をしている場合もありますが、国の指針に沿った場合は6月以降に選考が行われます。
夏季インターンシップを実施している場合、夏季インターンシップから本選考までの期間が空いてしまうと、選考参加率が下がってしまうため、定期的なフォローアップやSNS等での情報共有を通した関係構築が必要になります。
選考活動が本格化すると。企業はエントリーシートの提出や面接を通じて、学生の適性や志向を見極めることになります。
この時期には、選考フローをスムーズに進めるための体制を整えることが重要です。特に、選考基準や面接官のトレーニングを行い、学生に対して公平かつ透明な選考を実施することが求められます。
2026年1月~2026年9月~内定者のフォロー~
新卒採用において、内定者フォローも重要なプロセスです。
特に、大手企業が内定出しをする6月から9月の期間は、内定辞退者が増える傾向にあるため、企業側のフォローが求められます。
内定辞退の連絡を受けてからフォローアップをしても手遅れになる場合が多いため、内定者フォロー以前の時期から、学生とのコミュニケーションを通して関係構築を行っておくことで、内定者の離脱を防ぎ、入社意欲を高めることができます。
内定者との定期的な連絡を行い、彼らの不安や疑問に対して丁寧に応えることが大切になるため、社内の雰囲気や業務内容についての情報を提供したり、先輩社員との交流の場を設けたりすることで、内定者が自社に対する理解を深める手助けを意識しましょう。
新卒採用スケジュール策定のポイント

新卒採用のスケジュールを策定する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが成功への鍵となります。
採用ターゲットとなる学生の動きを確認する
新卒採用のスケジュールを作成する際は、まず採用ターゲットとなる学生の動向を把握することが重要です。学生たちが就職活動を行う時期や方法は年々変化しています。
また、学生は企業と同様に、早期に動き出す層、遅れて動き出す層など、一定の傾向があるため、それぞれの層に対してどのようなアプローチを取るか検討することも重要です。
競合他社の動きを確認する
新卒採用スケジュールの策定において、競合他社の動きを把握することも非常に重要です。
市場には多くの企業が存在し、それぞれが独自の採用戦略を展開しています。特に、同じ業界内での競争は激しく、優秀な人材を確保するためには、他社の動向をしっかりと把握する必要があります。
特にインターンシップは、定義が厳格化されたことにより、学生はある程度絞って参加をする傾向にあります。競合他社と日程が被ってしまうと、参加者を奪い合うことになってしまうため、特に競合他社の日程とは被らないようにする、複数日程用意するなどの工夫が必要です。
採用活動における社内体制を確認する
新卒採用のスケジュールを作成するには、社内体制の確認も欠かせません。
採用活動の通年化が進んだことにより、翌年の採用も並行して行う必要があり、2026卒の本選考と2027卒のインターンシップ選考の時期が被ってしまうなど、一定の期間に大きくリソースが必要になる場合があります。
そのため、事前に社内の体制を確認し、繁忙期に対応できるリソースがあるか、リソースが足りない場合は、スケジュールを変更するなどの事前に調整をしておくことが重要です。
また、採用活動は、他部署に協力を要請することもありますが、関連部署の繁忙期と重なってしまうと協力を得づらくなるため、他部署も含めて、社内体制を確認することが重要です。
長期化する前提で採用計画を組み立てる
新卒採用のスケジュールを策定する際には、長期化する前提で計画を立てることが重要です。
近年、採用市場は変化が激しく、学生の就職活動も早期化しています。また、内定辞退率も上がっているため、追加募集等で採用活動が長期化する場合が多くあります。
長期化した場合、翌年度の採用にも影響がでるため、当初から長期化する前提で、計画を立てておくことが重要です。
長期化する前提で余裕を持った計画にすることで、採用活動における柔軟性が生まれます。
まとめ
新卒採用は企業にとって重要な戦略の一環であり、適切なスケジュールを立てることが成功の鍵となります。2027年卒向けの新卒採用スケジュールを理解し、政府の方針を踏まえた上で、企業は自社の採用活動を計画する必要があります。
また、前年の振り返りや広報活動の準備、内定者フォローなど、各段階での戦略的な取り組みが重要です。採用予定人数や体制の確認、長期化を見越した計画の策定も忘れてはなりません。
これらのポイントを押さえた上で、企業は自社の魅力を最大限に引き出し、優秀な人材を確保するための採用活動を展開していくことが求められます。

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