【採用担当者向け】ポテンシャル採用とは?メリットやデメリット、成功のポイントを解説

目次
変化の激しい現代の労働市場において、企業は即戦力だけでなく、将来の成長可能性を秘めた人材の獲得に注目しています。そこで注目されているのが、成長の見込める人材を獲得する「ポテンシャル採用」です。
当記事では、ポテンシャル採用の基礎知識やメリット、成功させるためのポイントについて紹介します。また、候補者のポテンシャルを見極めるコツやポテンシャル採用におすすめの採用手法についても解説するので、ぜひご覧ください。
ポテンシャル採用とは

ポテンシャル採用とは、即戦力としてのスキルや経験だけでなく、将来的な潜在能力(ポテンシャル)を重視して人材を採用する手法です。
通常の採用手法とは異なり、即戦力になるような人材を採用するわけではないため、単なる職務経験やスキルにとらわれない柔軟な視点が必要になります。
ポテンシャル採用は何歳まで?
ポテンシャル採用において、明確な年齢制限は定められていませんが、一般的には若手人材を対象とすることが多いです。
ポテンシャル採用においては、将来の成長性が重要になるため、柔軟性や学習意欲が高い若い世代を重視する傾向にあります。そのため、特に新卒や第二新卒といった、社会人経験が浅い層がポテンシャル採用の対象者として一般的に認識されています。
ポテンシャル採用が注目される背景
ポテンシャル採用が注目される背景には、急速に変化する労働市場が大きく影響しています。
特に少子高齢化が進む日本において、労働力人口の減少が深刻な問題となっています。
少子高齢化が進むと優秀な若手人材を確保することが難しくなるため、スキルや経験にとらわれず、将来性を重視するポテンシャル採用に注目が集まりました。
近年はポテンシャル採用を導入する企業が増えており、企業が持続的に成長するための戦略として位置づけられています。
ポテンシャル採用のメリット

ここからは、ポテンシャル採用のメリットについて紹介します。
将来性のある人材を採用できる
ポテンシャル採用の最大のメリットは、将来性のある人材を獲得できる点でしょう。企業が即戦力を求めるあまり、偏ったスキルを持つ採用を行うと、長期的な成長を見込める人材を逃してしまう可能性があります。
また、変化の激しいビジネス環境では、状況に応じて柔軟に対応できる人材が求められます。ポテンシャル採用を通じて、成長意欲や知識欲の強い人材を迎え入れることができれば、組織の活性化やイノベーションの促進に繋がるでしょう。
企業の世代交代を進められる
ポテンシャル採用のメリットの2つ目は、企業の世代交代をスムーズに進めることができる点です。若手人材の安定した採用ができない場合、組織の高齢化が進み、企業の生産性が落ちてしまう可能性があります。
しかし、ポテンシャル採用で若手人材を確保することで、企業の生産性を維持しつつ、さらなる成長を目指すことが可能になります。
また、若手人材は新しい技術やトレンドに敏感であることが多く、これまでの業務プロセスや考え方に新たな発想を取り入れるきっかけにもなります。
新卒よりも研修コストがかからない
ポテンシャル採用で第二新卒の人材を採用すれば、新卒採用よりも研修コストを削減できるでしょう。新卒社員は、企業文化や業務に慣れるための基礎的な教育が必要であり、そのための研修プログラムには多くの時間とリソースがかかります。
一方、ポテンシャル採用で選ばれる第二新卒者は、既に社会経験を持っているため、基本的なスキルは身に付けており、研修コストを削減することが可能です。
ポテンシャル採用のデメリット

ここからは、ポテンシャル採用のデメリットについて紹介します。
人材の見極めが難しい
ポテンシャル採用のデメリットの1つは、人材のポテンシャルを見極めることが難しいという点です。経験や実績が少ない若手や新卒の候補者に対しては、将来的な成長可能性を判断するための材料が限られているため、採用担当者は慎重な判断を求められます。
また、ポテンシャル採用では候補者の能力や適性を数値化することが難しいため、面接や選考過程での主観が大きく影響してしまうでしょう。
中途採用よりも研修コストがかかる
ポテンシャル採用では、中途採用と比較して研修コストがかかるというデメリットも存在します。若手人材は経験やスキルが不足している場合が多いため、業務を遂行できるよう研修を行う必要があります。
すでに豊富なスキルや経験のある中途採用者のように、研修なしで即戦力として活躍してくれる可能性は低いでしょう。
ポテンシャル採用を成功させるためのポイント

ここからは、ポテンシャル採用を成功させるためのポイントについて紹介します。これらのポイントを意識して、ポテンシャル採用の成功に繋げましょう。
自社が求めるポテンシャルの要件を明確化させる
人材によって秘めているポテンシャルは異なります。そのため、企業の成長戦略やビジョンに基づき、どのようなポテンシャルを秘めた人材が必要なのか明確化させておきましょう。
前述したとおり、ポテンシャル採用は担当者の主観に左右されやすいので、求めるポテンシャルが曖昧になっていると、想定していた人材とは別のポテンシャルを持つ人材を採用してしまう可能性があります。
求める人物像に組み込んで、情報発信をする
ポテンシャル採用を成功させるためには、先ほど明確化させたポテンシャルの要件を求める人物像に組み込んだ上で、情報発信をすることが大切です。
求める人物像に組み込んで情報発信をすることで、応募者は自分がその人物像に当てはまっているか判断しやすくなり、採用ミスマッチの防止に繋がります。求める人物像は求人情報サイトや自社のウェブサイト、SNSなど、各募集媒体で必ず記載するようにしましょう。
候補者のキャリアプランを把握する
ポテンシャル採用を成功させるためには、候補者のキャリアプランをしっかりと把握することが重要です。
候補者が将来どのようなキャリアを描いているのかを理解することで、企業が求める人物像とマッチするかどうかを見極めることができます。
また、候補者の描くキャリアプランから、入社後の育成や配置に関する戦略を立てやすくなるでしょう。
適性検査等の診断ツールを活用する
ポテンシャル採用を成功させたいなら、適性検査等の診断ツールの活用を検討しましょう。
適性検査では、求職者の能力や性格などの要素をもとに、どのような職業や職場に適しているかを確認できるため、求職者のポテンシャルを把握しやすくなるでしょう。
ポテンシャルは面接だけで判断することが難しく、診断ツールと面接を組み合わせることで、ミスマッチを減らすことが可能です。
面接担当者のスキルアップを図る
ポテンシャル採用を成功させるためには、面接担当者のスキルアップが欠かせません。
候補者のポテンシャルを見抜けるかどうかは、担当者の能力に依存するため、質問方法や偏見をなくすバイアスのコントロールなどのスキルアップを図る必要があります。
また、面接担当者同士での情報共有も効果的です。定期的な振り返りや評価の見直しを行うことで、面接プロセス全体の質を向上させることができるでしょう。
候補者のポテンシャルを見極めるコツ

ここからは、候補者のポテンシャルを見極めるコツについて紹介します。候補者のどういう点に着目すればいいのか分からない方は、ぜひご覧ください。
積極的な学習姿勢があるか確認する
ポテンシャル採用において、候補者の積極的な学習姿勢を確認することは非常に重要です。
変化の激しいビジネス環境では、新しい知識やスキルを迅速に習得できる人材が求められています。
そのため、候補者が自己成長に対してどのような姿勢を持っているかを見極めることが、将来の活躍を予測する上での鍵となるでしょう。
最新の情報を収集しているか確認する
ポテンシャル採用を実施するときは、最新情報を収集しているか確認しておきましょう。変化の激しいビジネス環境に対応するには、業界のトレンドや技術革新に敏感であることも求められます。
候補者が自ら情報を収集し、学び続ける姿勢を持っているかどうかは、将来的な成長の可能性を示す指標になります。
面接時には、候補者に最近の業界ニュースやトレンドについて聞いたり、どのような情報源を利用しているのかを聞いておくとよいでしょう。
入社後のキャリアビジョンを確認する
ポテンシャル採用を成功させるなら、入社後のキャリアビジョンを確認しておくことも大切です。
高いポテンシャルを秘めている候補者は、将来のキャリアや目的を明確していることが多いため、候補者のキャリアビジョンを無視して採用すると、採用ミスマッチが発生してしまう可能性があります。
自身のキャリアビジョンを実現できない企業に残り続ける可能性は低いので、ポテンシャル採用の際には事前に確認しておくと安心です。
目的意識を持って行動しているか確認する
ポテンシャル採用では、候補者が目的意識を持って行動しているかどうか確認しておきましょう。目的意識とは、自分の目標やビジョンを明確に持ち、それに向かって計画的に行動する姿勢を指します。
目的意識が強い候補者は、自己成長やキャリアアップに対して積極的であることが多く、企業にとっても将来的な戦力となる可能性が高いです。
前職の退職理由を確認する
ポテンシャル採用においては前職の退職理由を確認しておくことも忘れてはいけません。候補者の退職理由は、その人の価値観や職業に対する姿勢を知る手がかりとなります。
例えば、キャリアアップを目指して退職している場合、向上心や成長意欲があると判断できるでしょう。一方で、職場の人間関係や労働環境に不満を持っての退職であれば、同様の問題が新しい職場でも発生する可能性があるため注意が必要です。
特に、ポテンシャル採用のポジションに応募をする求職者は、成長意欲をアピールすることが多い傾向にありますが、実際は人間関係や労働環境の不満など、別の理由で転職活動を行っていることが多くあります。
そのため、面接において、退職理由については深堀して聞いておくことが重要です。
ポテンシャル採用におすすめの採用手法

ここからは、ポテンシャル採用におすすめの採用手法について紹介します。
SNS採用
SNS採用とは、文字どおりX(旧ツイッター)やインスタグラム、フェイスブックなどのSNSを利用して候補者を見つける採用手法のことです。
SNSは若年層の利用者が多いため、ポテンシャル採用の対象となる若手人材にアプローチしやすくなるでしょう。
また、自社アカウントを運用することで、従来の求人広告では伝えきれない企業の雰囲気や価値観を視覚的にアピールできるため、候補者の興味を引きやすくなります。
リファラル採用
リファラル採用とは、既存の社員が自社に適した人材を推薦する採用手法です。
リファラル採用は企業文化や求める人物像を理解した社員が人材を紹介してくれるので、自社が求めるポテンシャルを有した候補者を見つけやすくなるでしょう。
また、リファラル採用は採用プロセスを効率化する効果もあります。通常の採用活動よりも面接や選考の手間が減少し、迅速に人材を確保できるため、企業にとっては時間とコストの削減につながります。
もちろん、リファラル採用で採用ミスマッチが発生しないとは限らないので、面接で候補者のポテンシャルを見定めることが重要です。
適性検査
適性検査は候補者の性格や能力、価値観を客観的に評価する手段として利用される検査のことです。ポテンシャル採用では、即戦力としてのスキルだけでなく、将来的な成長可能性を重視するため、適性検査を通じて候補者の潜在能力を把握することで、ポテンシャルを見極めるヒントが得られるでしょう。
さらに、適性検査を導入することで採用プロセスの透明性が向上し、候補者に対して公正な評価を行うことができます。
リファレンスチェック
リファレンスチェックは、候補者の過去の職務経験や業務遂行能力を確認するプロセスのことを指します。リファレンスチェックを実施することで、採用担当者は候補者の実績や職場での評価を第三者の視点から把握することが可能です。
特にポテンシャル採用においては、候補者の将来性を見極めるために、過去の行動や成果が重要な指標となります。
リファレンスチェックから得られた候補者の実績や評価をもとに、自社の求めるポテンシャルを有しているか判断可能です。
まとめ
ポテンシャル採用は、企業が将来の成長を見込んだ人材を獲得するための重要な手法です。変化の激しい労働市場において即戦力だけでなく、成長の可能性を秘めた人材を採用することが企業の競争力を高める鍵となるでしょう。
この記事では、ポテンシャル採用の基本的な概念やそのメリット・デメリット、成功のためのポイントについて詳しく解説しました。
ポテンシャル採用を通じて企業は未来のリーダーを育成し、持続可能な成長を実現することができます。ぜひポテンシャル採用の導入を検討してみてください。

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