新卒の採用戦略を立てる手順は?ポイントやフレームワークを解説

目次
求職者ニーズの多様化や少子化によって、新卒人材の獲得競争が激化しています。これまでと同じやり方では優秀な人材の確保が難しくなったため、新卒人材を獲得するための採用戦略に力を入れようとしている企業は多いのではないでしょうか。
当記事では、新卒の採用戦略を立てる手順や立案時のポイントについて紹介します。新卒採用で採用戦略が注目される理由についても解説するので、採用戦略の予備知識を知りたい方はぜひご覧ください。
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採用戦略とは

採用戦略とは、企業が求める人材を効果的に確保するための計画や方針のことです。
採用戦略にはどのような人材を採用するのか、どのような手法を用いて採用活動を行うのか、またその活動をどのように評価・改善していくのかといった要素が含まれます。
採用戦略は、企業の成長や競争力を左右する重要な要素であり、特に新卒採用においては、企業のブランドイメージや文化を学生に伝える役割も果たします。
新卒採用で採用戦略が注目される理由

ここからは、新卒採用で採用戦略が注目される理由について紹介します。
新卒採用の競争が激化している
近年、少子化の影響により学生の母数が減少し、新卒採用における競争はますます激化しています。
このような状況下では企業同士の争奪戦が繰り広げられ、特に人気のある業界や職種だと求職者が複数の内定を持つことも珍しくありません。自社に優秀な学生を呼び込むためには、採用戦略が必須と言ってもよいでしょう。
求職者ニーズが多様化している
近年、新卒求職者のニーズは多様化しているため、企業はその変化に対応する必要があります。従来のように安定した職場環境や給与だけではなく、働き方の柔軟性や企業の社会的責任、キャリア成長の機会など、求職者が重視する要素は多岐にわたります。
このような背景から、企業は自社の魅力をしっかりと伝え、求職者の期待に応える採用戦略を構築することが求められています。
新卒採用が早期化している
近年は新卒採用のスケジュールが早期化しています。新卒の採用スケジュールが早期化しているということは、企業側も新卒に合わせてスケジュールを調整しないと、競合他社に優秀な人材を取られてしまう可能性が高くなります。
特に就職活動を行う学生たちが、早期に内定を得ることを重視するようになったため、企業側もそれに応じた対応が求められています。
新卒の採用戦略を立てる手順

ここからは、新卒の採用戦略を立てる手順について紹介します。計画を立てる手順は以下の6ステップです。
・新卒の採用戦略チームを構築
・フレームワークを活用した分析
・採用計画の策定
・求める人材像の明確化
・新卒採用スケジュールの設定
・採用手法の選定
新卒の採用戦略チームを構築
新卒の採用戦略を成功させるためには、まず専任のチームを構築することが重要です。このチームは採用活動の全体を見渡し、戦略的なアプローチを取る役割を担います。
チームメンバーには人事部門だけでなく、各部署の代表者やマーケティング担当者も含めることで、多角的な視点を持つことができるでしょう。チームの構成が決まったら、各メンバーの役割を明確にし、目標を共有することが大切です。
フレームワークを活用した分析
採用戦略を立てる際には、フレームワークを活用して自社や市場の現状を分析することが重要です。フレームワークとは物事を論理的に考えるための枠組みのことで、活用すれば複雑な情報を整理し、視覚的に理解しやすくなります。
採用計画の策定
採用計画の策定では企業のビジョンや戦略に基づき、どのような人材をどのタイミングで採用するのかを明確にする必要があります。具体的には採用人数や職種、求めるスキルなどを定義し、採用活動のスケジュールを立てましょう。
また、採用計画には予算の設定も含まれます。採用活動にかかるコストを見積もり、必要なリソースを確保することで、計画的に進めることが可能になります。
求める人物像の明確化
新卒の採用戦略において、求める人物像を明確にすることは非常に重要です。まず、企業のビジョンやミッションに基づき、どのようなスキルや価値観を持った人材が必要かを洗い出しましょう。
これによって、採用活動がよりターゲットを絞ったものとなり、効率的に優秀な人材にアプローチすることが可能になります。
新卒採用スケジュールの設定
新卒採用スケジュールの設定は、採用戦略の中でも特に重要な要素です。適切なタイミングで採用活動を行うことで、優秀な人材を逃さずに確保することが可能になります。
まずは企業の採用ニーズや業界の動向を考慮し、採用活動の開始時期を決定しましょう。一般的には大学の卒業年度に合わせて、早期からの計画が求められます。
採用手法の選定
最後に新卒人材の採用手法を選定しましょう。就職サイトやイベント出展、SNSを利用したダイレクトリクルーティングなど、手法は様々なので、企業ブランドの特徴や文化を考慮しつつ適切な手法を選ぶのがおすすめです。
また、最近はSNSを上手く活用することで幅広い層の学生にアプローチすることが可能です。特に若い世代が多く利用するプラットフォームを選べば、効果的に情報を発信し、興味を引くことができるでしょう。
新卒の採用戦略に有効なフレームワーク

ここからは、新卒の採用戦略に有効なフレームワークについて紹介します。フレームワークを活用し、自社や市場分析に役立ててください。
ペルソナ分析
ペルソナ分析とは、商品やサービスを売るときにターゲットの顧客層を設定するというフレームワークです。
これは新卒採用でも有効な手法で、ペルソナ分析を利用すればターゲット層に適したアプローチを行うことができるようになり、企業は自社にフィットする人材を効率的に見つけ出すことができるでしょう。
新卒採用では、できるだけ長く自社に勤めてもらえる人材を確保することが大切です。そのため、ミスマッチを防止しやすくなるという点でも、ペルソナ分析は新卒採用に欠かせないフレームワークと言えるでしょう。
3C分析
3C分析とは「Company(自社)」「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」の3つの要素に分け、効果的な採用戦略を構築する手法のことです。
Companyでは自社の強みや弱みを明確にし、どのような人材が必要かを把握します。次にCustomerでは求職者のニーズや期待を理解し、魅力的な職場環境を提供するためのポイントを洗い出しましょう。
最後のCompetitorでは競合他社の採用活動や人材の特徴を分析し、自社がどのように差別化できるかを考えます。
4C分析
4C分析とは「Customer(顧客)」「Cost(コスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(コミュニケーション)」の4つの要素に分けて分析する手法のことです。
人材採用においてCustomerは求職者にあたり、Costは採用にあたってかかる費用のことです。
Convenienceは求職者にとっての利便性を指し、応募プロセスが明確であることや情報が分かりやすく提供されていることが求められるでしょう。
Communicationは、企業と求職者との間のコミュニケーションを強化することです。透明性のある情報提供や迅速なフィードバックを行うことで、求職者との信頼関係を築くことができます。
SWOT分析
SWOT分析は企業の内部環境と外部環境を整理し、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の4つの要素を明確にすることを目的とした分析手法です。
企業の強みを把握することで、どのような人材を引きつけることができるのかを考えることができます。また、弱みを認識することで改善が必要な点を洗い出し、採用活動においてどのような対策を講じるべきかを検討できるようになるでしょう。
新卒の採用戦略を立てるときのポイント

ここからは、新卒の採用戦略を立てるときのポイントについて紹介します。これらのポイントを意識し、効果的な採用戦略を立てましょう。
社内で採用戦略を共有する
新卒採用戦略を成功させるためには、社内での情報共有が不可欠です。採用戦略は単なる人事部門の仕事ではなく、企業全体の協力が求められます。
経営層や各部門のリーダーと連携し、採用の目的や方針を明確にすることで全社員が同じ目標に向かって動くことができ、採用活動の一貫性が保たれます。
「攻めの採用」を意識する
新卒の採用においては「攻めの採用」を意識しましょう。攻めの採用とは、受動的なアプローチではなく、積極的に求職者にアプローチし、企業の魅力を伝える採用活動のことを指します。
攻めの採用の代表例としては、企業のブランド力を高めるための広報活動やSNSを活用した情報発信、インターンシップや説明会の充実などが挙げられます。
また、求職者との接点を増やすために、大学との連携を強化し、学生とのコミュニケーションを深めることも重要です。
PDCAを意識する
新卒採用戦略を効果的に進めるためには、PDCAサイクルを意識することが重要です。
PDCAは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのステップから成り立っており、このサイクルを繰り返すことで採用活動の精度を高め、より良い結果を得ることができます。
新卒採用における市場変化は激しいので、PDCAを意識して臨機応変に対応できる採用戦略を立てましょう。
ターゲット学生の属性に合わせた戦略を立てる
新卒の採用戦略を立てるときは、ターゲット学生の属性に合わせることを意識しましょう。
学生の属性は文系理系や学歴、専攻分野、興味関心、価値観など多岐にわたるので、これらの要素を考慮すれば効果的なアプローチが可能になります。
例えば、理系の学生をターゲットにする場合、技術的なスキルや研究経験を重視した採用プロセスを設計することが求められます。一方で、文系の学生には、コミュニケーション能力やチームワークを重視した評価基準を設けると良いでしょう。
まとめ
新卒の採用戦略を立てることは、企業にとって非常に重要なプロセスです。求職者のニーズが多様化し、競争が激化する中で効果的な戦略を持つことが求められています。
この記事では、新卒採用の背景や戦略を立てる手順、さらには有効なフレームワークについて解説しました。当記事の内容を参考にし、新卒人材に効果的な採用活動が実現できるようにしましょう。

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