【採用担当者向け】カジュアル面談とは？メリットやデメリット、実施する流れを解説

近年、候補者との距離を縮めつつ、より深い相互理解を得られるカジュアル面談が注目を集めています。しかし、カジュアル面談がどういったものなのか、企業にとってどのようなメリットがあるのか気になった方は多いのではないでしょうか。

当記事では、カジュアル面談のメリットやデメリット、実施する流れについて紹介します。カジュアル面談の事前準備やポイントについても解説するので、ぜひご覧ください。

カジュアル面談とは

カジュアル面談とは、企業と候補者がリラックスした雰囲気の中で行う面談のことを指します。従来の面接とは異なり、形式的な質問や評価基準に縛られず、より自然な会話を通じて相互理解を深めることが目的です。

候補者が企業文化や職場環境を感じ取る良い機会となり、企業側も候補者の人柄や価値観を知る手助けとなるでしょう。

カジュアル面談が注目される背景

近年、企業の採用活動においてカジュアル面談が注目されるようになった背景としては、労働市場の変化や求職者の価値観の多様化が考えられるでしょう。

特に優秀な人材の獲得競争が激化する中で、企業は単なるスキルや経験だけでなく、企業文化とのマッチ度を重視するようになっています。

カジュアル面談はリラックスした雰囲気の中で候補者と企業の双方が自然体でコミュニケーションを取ることができるため、相互理解を深めるのに最適な手段とされています。

カジュアル面談と面接の違い

カジュアル面談はリラックスした雰囲気で行われるため、候補者が自分を素直に表現しやすい環境が整っています。これに対して、通常の面接は形式的で緊張感が伴うことから、候補者が本来の姿を見せることが難しい場合があります。

また、カジュアル面談は双方向のコミュニケーションを重視している点も大きな違いでしょう。通常の面接は企業側が主導権を持ち、候補者が一方的に評価される場面が多いです。

しかし、カジュアル面談は相互理解を深める場なので、どちらかが一方的に主導権を持つことがありません。

カジュアル面談のメリット

ここからは、カジュアル面談のメリットについて紹介します。

採用ミスマッチを防げる

カジュアル面談の最大のメリットは、採用ミスマッチを防ぐことができる点です。従来の面接では、候補者と企業の双方が限られた時間内で情報を交換するため、相互理解が不十分になることが多くあります。

しかし、カジュアル面談ではよりリラックスした雰囲気の中で自由に会話を進めることができるため、候補者の本音や企業文化に対する理解を深められるでしょう。

また、企業側も候補者のスキルや経験だけでなく、性格を含めたポテンシャルを見極めることができるため、採用後のギャップを減らすことができます。

候補者の緊張を解くことができる

もう一つのカジュアル面談のメリットは、候補者の緊張を和らげることができる点です。従来の面接は形式的で堅苦しい雰囲気が漂いがちですが、カジュアル面談ではリラックスした環境を提供することができるでしょう。

これによって候補者は本来の自分を表現しやすくなり、より自然なコミュニケーションが生まれます。候補者がリラックスしていることで、企業側も本音でのやり取りがしやすくなり、相互理解を深められるでしょう。

候補者の知りたい情報を提供できる

候補者の知りたい情報を提供できることも、カジュアル面談のメリットと言えるでしょう。通常の面接では、企業側が一方的に情報を伝えることが多く、候補者が疑問を持っていても質問しづらい雰囲気が生まれがちです。

しかし、カジュアル面談ではリラックスした雰囲気の中で、候補者が自由に質問できるため、関心や不安を解消することができます。

カジュアル面談のデメリット

ここからは、カジュアル面談のデメリットについて紹介します。

採用工数が増える

カジュアル面談は、候補者とのコミュニケーションを深める一方で、採用プロセスにおける工数が増加するというデメリットもあります。

例えば、候補者との日程調整や面談担当者の選定など、カジュアル面談にかかる時間が増えるため、採用担当者の負担が大きくなる可能性があるでしょう。

採用人数が減少する恐れがある

カジュアル面談によって、採用人数が減少する可能性もあるでしょう。カジュアル面談では候補者の個性や価値観を理解することができますが、候補者自身が企業ニーズと一致していないと判断した場合、選考に進む確率が下がってしまいます。

採用後に退職して採用コストの損失に繋がるよりは良いものの、想定していた採用人数に満たなくなる可能性は否定できません。

カジュアル面談の事前準備

ここからは、カジュアル面談の事前準備について紹介します。スムーズにカジュアル面談を実施できるように、これから紹介する準備を済ませておきましょう。

候補者に資料を配布する

まずは、カジュアル面談を行う候補者に資料を配布しましょう。あらかじめ資料を配布しておけば、カジュアル面談中の基礎的な質問内容に充てる時間を削減できます。

資料には企業のビジョンや経営方針、基本的な業務内容などを記載しておきましょう。

質問内容をまとめる

候補者に対して、どのような質問をするのかを明確にまとめておきましょう。

候補者の職務経験やスキル、キャリアプランなどの質問をまとめておけば、候補者とのコミュニケーションがスムーズになり、別のコミュニケーションに時間を割くことができます。

想定される質問に対しての回答をまとめる

カジュアル面談では、候補者からの質問が多く寄せられることが予想されます。そのため、事前に想定される質問をリストアップし、それに対する回答を準備しておくことが重要です。

例えば、企業文化や働き方、キャリアに関することは質問されることが多いため、具体的な事例やデータを交えて説明できるようにしておくと良いでしょう。

カジュアル面談の流れ

ここからは、カジュアル面談の流れについて紹介します。カジュアル面談は以下の6つのステップで進めていきます。

・自己紹介
・目的説明と認識のすり合わせ
・候補者の状況説明
・企業説明
・候補者からの質問に回答
・今後の案内

自己紹介

カジュアル面談の最初のステップとして、自己紹介は非常に重要です。採用担当者が自分自身を簡潔に紹介し、候補者との距離を縮めることが求められます。

カジュアル面談でも最初は候補者も緊張していることが多いので、少しプライベートな情報を交えつつ、リラックスした雰囲気を作り出すよう心がけましょう。

例えば、自己紹介のときに趣味や最近の出来事などを軽くシェアするだけでも、候補者の緊張を解きやすくなります。

目的説明と認識のすり合わせ

自己紹介が終わったら、目的説明と認識のすり合わせを行います。候補者は「カジュアル面談」という形式に耳なじみがないことが多いため、合否に関係のない軽い面談であることを伝えておくとよいでしょう。

候補者の状況確認

目的説明を終えたら、候補者の状況確認を行いましょう。候補者が現在どのような職務に従事しているのか、またはどのようなキャリアを目指しているのかを把握することが大切です。

このプロセスを通じて、企業側は候補者が業務内容や企業文化、価値観等に合うかどうかを見極めることができます。

企業説明

カジュアル面談において、企業説明を忘れてはいけません。候補者の状況を確認したうえで、企業のビジョンや労働条件、福利厚生など魅力を伝えましょう。

特に、企業説明では候補者がどのような環境で働くことになるのかを、具体的にイメージできるようにすることが大切です。

候補者からの質問に回答

カジュアル面談では、ほぼ確実に候補者からいくつかの質問が寄せられます。

「カジュアル面談の事前準備」である程度の質問への対応は決まっているはずなので、候補者の求める情報を提供していきましょう。

候補者からの質問には積極的に耳を傾け、丁寧に対応することがカジュアル面談の成功に繋がります。

今後の案内

カジュアル面談の最後には、今後の選考プロセスについて候補者にしっかりと案内しておきましょう。

後日メールで案内することもできますが、日数が経過するにつれて企業への関心が薄れる可能性があるため、当日のうちに案内をしておくことが重要です。

カジュアル面談を実施するときのポイント

ここからは、カジュアル面談を実施するときのポイントについて紹介します。これから紹介するポイントを意識して、カジュアル面談の成功に繋げていきましょう。

企業の魅力を伝える

カジュアル面談では、企業の魅力をしっかりと伝えることが重要です。候補者にとって企業文化や職場環境、チームの雰囲気などは入社後の満足度に大きく影響します。

そのため、面談の中で具体的なエピソードや実際の業務内容を交えながら、企業の特長を紹介することが効果的です。

候補者に応じて担当者を変える

カジュアル面談を成功させるためには、候補者の特性や背景に応じて担当者を選定することも大切です。

例えば、技術職の候補者には技術的な知識を持つ担当者が適しており、営業職の候補者には営業経験が豊富な担当者が望ましいでしょう。

このように、候補者の職種やスキルにマッチした担当者を配置することで、より具体的で有意義な対話が生まれ、候補者の不安を軽減することができます。

通常の面接にならないようにする

カジュアル面談の最大のメリットは、リラックスした雰囲気の中で行われることです。そのため、通常の面接と変わらないような堅苦しい雰囲気は避けるよう心がけましょう。

また、面談の進行においても形式的な質問を避け、候補者との対話を重視することが大切です。

各採用手法におけるカジュアル面談のタイミング

ここからは、各採用手法におけるカジュアル面談のタイミングについて紹介します。

採用サイト

採用サイト経由で応募を募る場合は、書類選考の前にカジュアル面談を行いましょう。基本的には「応募、カジュアル面談、書類選考」の順番で進めます。

採用サイトには、カジュアル面談専用の申し込みフォームを用意しておくと、応募までのハードルが下がるため、応募者の増加が期待できます。

リファラル採用

リファラル採用を行う場合は、社員から候補者の紹介をしてもらった次の段階でカジュアル面談を行いましょう。

紹介に応じるということは、自社に対してある程度の興味関心がある状態なので、カジュアル面談で企業の魅力を伝えつつ、選考に参加する意思を確認しておくことをおすすめします。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングの場合は、スカウトを行った次の段階でカジュアル面談を実施しましょう。

リファラル採用とは異なり、企業側からアプローチするダイレクトリクルーティングは候補者の興味関心が薄いことがほとんどなので、面談時にどれだけ企業の魅力を伝えられるかが重要になります。

また、スカウト時に「通常の面接」と勘違いされないよう、カジュアル面談の内容を伝えておくことも忘れてはいけません。

まとめ

カジュアル面談は候補者との距離を縮め、相互理解を深めるための有効な手段です。企業にとっては採用ミスマッチを防ぎ、候補者の緊張を和らげることで、より良い人材を見極める機会になるでしょう。

一方で、採用工数が増加する可能性や、採用人数が減少するリスクも考慮する必要があります。カジュアル面談を成功させるためには、事前準備や流れをしっかりと把握し、企業の魅力を効果的に伝えることが重要です。

採用ミスマッチ防止に向け、カジュアル面談の実施をぜひご検討ください。