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中途採用 採用ノウハウ

リファレンスチェックによる内定取り消しは有効?法的効力や対処法を解説

2024/10/09

採用プロセスの最終段階で、優秀な人材を確保するためにリファレンスチェックを実施する企業が増えています。

しかし、このプロセスで予期せぬ情報が明らかになり、内定を取り消さざるを得ない状況に直面することがあるのをご存知でしょうか。

当記事では、リファレンスチェックによる内定取り消しは有効なのか紹介します。法的効力や対処法も解説するので、ぜひご覧ください。

リファレンスチェックによる内定取り消しは有効?

リファレンスチェックによる内定取り消しは有効なのでしょうか。

結論、リファレンスチェックによる内定取り消しは、原則として認められていません。

ただし、以下で紹介するように「内定取り消しが認められる可能性があるケース」と「内定取り消しが認められずらいケース」がありますので、参考にご覧ください。

内定取り消しが認められる可能性があるケース

リファレンスチェックによって内定取り消しが認められる可能性があるケースは、主に候補者が提供した情報とリファレンスから得られた情報に明らかな矛盾がある場合です。

例えば、職歴や学歴の詐称が発覚した場合、企業は内定を取り消すことができる可能性が高いです。

内定取り消しが認められずらいケース

リファレンスチェックによって内定を取り消すことができる場合もあれば、逆に取り消しが認められないケースも存在します。

まず、内定取り消しが行われる場合には、企業側が客観的に合理的な理由を示す必要があります。単に「印象が良くなかった」等の理由では、内定取り消しが認められない可能性が高いです。

また、リファレンスチェックの結果が曖昧であったり、信頼性に欠ける情報であったりする場合もは法的に問題となる可能性があります。

リファレンスチェックの結果と候補者の提供した情報に乖離がある場合、一方的にリファレンスチェックの結果を信じるのではなく、慎重に事実確認をすることが重要です。

内定取り消しには慎重な判断が求められるため、法的なリスクを伴うことを理解しておきましょう。

日本における内定の法的効力

日本の法的背景を理解することは、リファレンスチェックによる内定取り消しの有効性を考える上で重要です。次の項目では、日本における内定の法的効力を紹介するので、ぜひご覧ください。

内定は簡易的な労働契約の成立

内定は、企業と候補者との間で結ばれる労働契約の一形態として位置づけられています。具体的には、内定が出されることで候補者はその企業で働く意思を示し、企業側もその候補者を受け入れる意向示すものになります。

労働契約が成立することになりますので、内定後にリファレンスチェックを理由として、内定を取り消すことは原則としてできません。

内定承諾書は採用を行う企業側に対しては法的な拘束力がある

内定承諾書は、企業が候補者に対して内定を通知し、候補者がその内定を受け入れる意思を示すための文書です。日本の法律では求職者に拘束力はありませんが、採用を行う企業側には法的な拘束力があります。

企業が内定を出した時点で労働契約が成立していると考えられるので、正当な理由なく内定を取り消すことはできません。

ただし、経歴詐称などの重大な問題が発覚した場合は、内定を取り消すことが可能な場合がありますが、その場合も内定の取り消しの可否については、客観的に合理的な理由があること、また内定取り消しと同等の妥当性が認められる理由である必要があります。

内定についての過去の重要判例

内定取り消しに関する法的な判断は、過去の判例によって形成されています。

例えば、ある判例では内定者がすでに入社の準備を進めていたにもかかわらず、企業がリファレンスチェックの結果を理由に内定を取り消したケースがありました。この場合、裁判所は企業の行為を不当とし、内定者に対して損害賠償を命じています。

また、別の判例では内定者が過去の職務経歴を偽っていたことが発覚した場合、企業は内定を取り消すことが認められました。

このように内定取り消しが認められるかどうかは、具体的な状況や理由によって異なるため、企業は慎重に判断する必要があるでしょう。

これらの判例から学べることは、リファレンスチェックを行う際には、候補者に対して公平かつ透明なプロセスを維持することが重要であるという点です。内定取り消しが法的に有効であるためには、正当な理由が必要であり、その理由が明確であることが求められます。

リファレンスチェックで発覚しやすい問題

リファレンスチェックは、候補者の過去の職務経験や人柄を確認する重要なプロセスですが、ここで明らかになる問題も少なくありません。

リファレンスチェックで発覚しやすい問題について紹介しますので、ぜひご覧ください。

候補者の経歴詐称

リファレンスチェックにおいて最も懸念される問題の1つが、候補者の経歴詐称です。経歴詐称とは、応募者が職務経験や学歴、資格などを実際よりも良く見せるために虚偽の情報を提供する行為を指します。

このような詐称が発覚した場合、企業は信頼性を損なうとともに、採用の判断を見直さざるを得なくなるでしょう。

経歴詐称は、特に競争が激しい業界や職種において見られる傾向があります。候補者が自分をより魅力的に見せようとするあまり、実際の経験やスキルを誇張することがあるためです。

面接での人柄や印象の乖離

リファレンスチェックを通じて、面接時の候補者の人柄や印象と、実際の職場での評価に乖離が生じることがあります。面接では候補者が自分を良く見せようとするあまり、実際の性格や仕事のスタイルを隠すことが少なくありません。

例えば、面接では非常に協調性が高く、チームでの働き方に適しているとアピールしていた候補者が、リファレンスチェックで過去の職場でのトラブルや対人関係の問題が明らかになることもありえるでしょう。

仕事に対する評価が低い

リファレンスチェックを通じて、候補者の過去の職務に対する評価が低いことが明らかになる場合があります。

候補者が自らの能力を過大評価していた場合、企業にとってはリスクとなるため、慎重な対応が求められるでしょう。ただし、仕事に対する評価が低いだけで内定を取り消すことは難しい場合が多いです。

職場での素行が悪い

リファレンスチェックでは、候補者の職場での素行が悪いことが明らかになる場合があります。具体的には、過去の職場でのトラブルや同僚との不和、業務に対する姿勢の問題などが挙げられるでしょう。

これらの情報は、企業にとって非常に重要であり、客観的かつ合理的な理由がある場合は、内定を取り消すことが可能な場合があります。特に、職場での素行が悪いことが確認された場合、企業はそのリスクを回避するために内定を見直す必要があるでしょう。

適法で内定取り消しを行うための対策

リファレンスチェックを通じて内定取り消しを行う際には、適法性を確保するための対策が重要です。ここからは、適法で内定取り消しを行うための対策について紹介するので、次の項目を参考に対策を講じてみてください。

内定前にリファレンスチェックを実施する

リファレンスチェックは、内定を出す前に候補者の過去の職務経験や人柄を確認する重要なプロセスです。この段階で実施することで、候補者が提供した情報の正確性を検証し、企業にとってのリスクを軽減することができます。

内定取り消しのリスクを未然に防ぐためにも、内定を出す前にリファレンスチェックを実施しておきましょう。

リーガルチェックを受ける

リファレンスチェックを行う際には、法的な観点からの確認も欠かせません。リーガルチェックを受けることで、リファレンスチェックの実施が法律に則って行われているか、また内定取り消しの理由が法的に正当であるかを確認することができます。

特に個人情報保護法や労働法に関する知識は重要です。法律に違反することなく、適切な手続きを踏むことで、企業はリスクを最小限に抑え、内定取り消しに関するトラブルを避けることができるでしょう。

専門家の意見を仰げば、より安心してリファレンスチェックを進めることが可能になります。

まとめ

リファレンスチェックは、企業にとって重要な判断材料となりますが、その法的効力や適切な対処法を理解しておくことが大切です。

内定取り消しが認められる可能性があるケースと認められずらいケースを明確に区別し、リファレンスチェックを実施する際には事前の準備や調査を怠らないことが重要です。

当記事を参考にリファレンスチェックを効果的に活用し、優秀な人材の確保に役立ててください。

参考:バックグラウンドチェック後に内定取り消しはできるか?様々なケースごとに解説 |簡単・スピーディーな反社チェックツール「RISK EYES」

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